「不妊ルーム」

 私は以下のような項目があてはまったら、
治療のやめどきだと考えています。参考にしてみてください。

1・女性が45歳をすぎている。

2・体外受精(IFV)を5回受けても妊娠しなかった。
 (体外受精で妊娠した人はほとんど4回目までに妊娠しています)

3・生理中のFSH(卵胞刺激ホルモン)の値が、
25IU/ml以上(20以上でかなり困難)

4・夫婦で治療の考えに開きがでてきた。

 また体外受精など高度生殖医療を希望しない人は、
つぎのことも重要な目安です。

 ★不妊治療は2年間以内をメドにする。

 不妊治療において、妊娠した人の90パーセントが
2年以内に妊娠しているので、それ以上ひきのばすことは
無効の可能性が高く、ストレスも高まります。

子どもがいる隣の芝生は青い?

隣の芝生というのはどうしても青く見えてしまうものです。

いま、子どもに恵まれないあなたにとって、
親子3人で散歩している風景は、とても羨ましく映るかもしれません。

しかしちょっと立ち止まって考えてみてください。
もしあなたが母親になったら生活はどのようになるでしょうか?
ファミレスには行けても、おしゃれなレストランに行くことは、
子どもがいたらもちろんできません。
夫婦でのんびりと温泉につかりたいと思っても、夢物語でしょう。

たとえば、子どもがいるお友達に、
子どもができる前にやっておきたかったことを、
訊いてみてはいかがでしょうか。
いろいろなお話しが聞けると思います。

現状をポジティブに捉えて、前向きに妊娠にトライしたほうが、
良い結果になりやすいものです。
子どもがいない今だからこそ、できることを思う存分やっておくという
態度はとても大切だと思います。

レッスン:未妊ライフをエンジョイする

不妊治療を始めたカップルが受診した医療機関の
治療方針に納得できなかったり、
不妊治療をステップアップしていくことに
ストレスを感じるようになったときは、
ぜひセカンドオピニオンを求めていただきたいと思います。

直接医師のもとを訪ねるほかにも、
最近では公的な不妊相談を行っている機関もありますし、
インターネットで相談に応じてくれる医師もいると思います。
このようなことで、不妊治療というレールのポイントの切り替えが、
スムーズにいくこともあります。
そして、不妊治療にはステップダウンも選択肢のひとつだということを、
ぜひ頭の中にいれておいていただきたいと思います。

不妊治療を受けて「妊娠」という結果がなかなかでないため、
自己判断で治療を中止して、不妊治療のドクターを転々とする
「ドクターハンティング」に向かう人は少なくありません。
その心理は十分理解できます。

このようにして、医療機関を転々とすることは、
セカンドオピニオンを求めて別の医師の意見を聞くこととまったく違います。
自分の判断で治療を中断してしまうため、
つぎの医療機関でも一からまた同じ検査を受けることになり、
効率も悪くなります。

「不妊ルーム」の大きな柱は、下記の2つです。
 1)漢方薬などを用いたスローライフ的フォローアップをおこなう 
 2)適切なセカンドオピニオンの提供する
 3)信頼できる医療機関へ責任をもって紹介する

IVF、ARTという目印

最近街中で、〇〇IVFクリニック、◎◎ARTクリニックといった
看板を目にすることがありませんか。

IVFとはそのまま体外受精のことですし、
ARTとは「生殖補助医療」という意味ですが、
体外受精と同義と考えてかまいません。
要するにIVFクリニック、ARTクリニックと言うのは、
体外受精に力を入れているクリニックだということです。

そうしたことをあまり理解していない人が多いかもしれません。
ですからこうしたクリニックのドアをノックすると、
短期間に体外受精を勧められてしまいがちなのです。
最初から体外受精を決心している場合はいいのですが、
軽い気持ちでこうしたクリニックを受診すると、
ちょっと思わぬ行き違いが生じてしまうかもしれません。

しかし、ART、IVFと言う目印を出しているからといって、
技術的に優れているクリニックという保証はどこにもないのです。
またこうした医療機関のホームページには、私の目から見て、
ちょっと不妊治療の常識からかけ離れた妊娠率が
表示されていることがあります。

不妊の原因のない若いカップルの妊娠率は、
排卵周期あたり20~30%ですから、体外受精1回あたりの妊娠率が、
40~50%などはあり得ないのです。
体外受精の実態は、ホームページから伺い知ることができない、
これまで長年「不妊ルーム」で多くの相談を受けてきた私の実感です。

どこそこの温泉に入ると妊娠しやすい、という話を聞いたことはありませんか? 
むかし、あるお殿様の奥方が、なかなか子宝に恵まれなかったのが、
○○の湯につかったところたちまち子宝に恵まれた――
などという話が言い伝えられているものがほとんどです。
薬効がどうのこうのというものではありません。

でも、ふたりにとっての子宝の湯はあってもいいと思うのです。
ふだんの生活を離れ、不妊のことも頭から切り離して、
温泉旅行などにでかけて思う存分リラックスするのも悪くないものです。
その温泉がとてものんびりできるところなら、
そこを自分たちの子宝温泉と考えればよいのです。

不妊治療は心身にストレスがかかりますから、
そのストレスをほぐしてあげる工夫も大切です。
もしかしたら、リラックスすることで、よい結果につながるかもしれません。

私がカウンセリングやフォローアップを行っているカップルのうち、
妊娠者が多くでる月は、5月と8月です。
5月にはゴールデンウィークが、8月には夏休みがあります。
これはあくまでも主観なのですが、
夫婦ふたりがまとまった期間のんびりできると、
妊娠しやすいのではないかと思うのです。
ストレスから開放されてリラックスすることは、
妊娠のための大切な条件かもしれません。




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