Archive for 4月, 2019

今や世界的に広く普及している体外受精であるが、その研究は1,960年代の初めにま
でさかのぼります。

体外受精の研究は、英国の天才的生物学者ロバート・エドワーズによって始められま
した。エドワーズは、卵細胞を体外で成熟させることに強い関心を持っていました。
エドワーズ以外にも、卵細胞を体外で成熟させるという試みは、いろいろな学者によっ
て行われていたがうまくいきませんでした。

エドワーズ自身も卵細胞を体外で成熟させるという壁にぶつかり、そこで彼は方針を、
体外で卵を成熟させるという発想から、体内で成熟した卵を取り出すという方針に切
り替えたのです。この発想の転換がなければ、体外受精児の誕生はなかったかもしれ
ません。

彼はウサギによる体外受精の実験を繰り返し行い、1,960年代の終わりには、ウサギ
での体外受精のシステムを完成させていました。そして人への体外受精の研究に切り
替え、これをどのように臨床応用するか、そのシステムの確立に努力したのです。動
物実験からステップアップアップし、手術での摘出による卵子を使った実験で、シャー
レの中でヒトの卵子と精子を受精させ、分割卵として生存させる方法を確立したので
す。

これで理論的には、体外受精で得られた人の受精卵を、子宮に戻せば赤ちゃんへと成
長させることも可能となったのです。しかし同時にさらなる大きな壁が立ちはだかっ
ていました。