Archive for 5月, 2018

近年の婦人体温計の進歩

 水銀柱体温計の時代にくらべて、
近年の婦人体温計の進歩には目を見張るものがあります。
検温時間がわずか10秒と短いのみならず、
ボタン1つで日々の基礎体温データを
スマートフォンに転送することができるのです。

また、便利な基礎体温表アプリもたくさん登場しています。
オムロンなどの最新の婦人体温計は、専用アプリとセットになっていて、
基礎体温が自動的にグラフ化され、生理周期などの情報を入力すれば、
排卵日が近いことも知らせてくれる仕組みになっています。
スマホのアプリであれば通勤中の電車の中でも気軽に確認ができますし、
スマホは毎日携帯しますから、お守りのような存在かもしれません。

 しかし、そんなデジタル時代にあっても、
紙の基礎体温表をつけることの利便性は色あせません。
数ヶ月分をひと目で見渡せる一覧性や、
手軽に書き込みができる便利さ、
そして医師に見せて相談する場合は、
紙の基礎体温表が勝っていると思います。

 排卵日前後に、なるべく多くセックスをするというのはおすすめの方法です。
しかし、排卵日がプレッシャーになる状況であれば、
いったんそこから離れて自然な気持ちに任せてみるのも立派な治療です。

 女性も男性も子作りのためだけにするセックスを
「楽しいもの」「愛し合うための行為」とは思えないものです。
目的のはっきりしたセックスばかりで、お互いのことを
「妊娠するために必要な存在」としか見られなくなってしまっては大変です。
 そもそも女性は、排卵が近づくと
セックスをしたいという欲求が高まる女性ホルモンの分泌が上昇します。
人間も動物ですから、種を保存するために
妊娠しやすい時期に性欲が高まるのはごく自然なことです。

Lesson:自然の欲求に任せたセックスは妊娠しやすい

「このままではお金がどんどんかさんで、
年をとっていくのかと思うと、
いてもたってもいられない気持ちになります」

体外受精を何回か受けた方からこんなメールを受け取ると、
ほんとうに気の毒になります。
体外受精を受ける人に対して、
医師は精神的フォローを行う責任があると私は思います。
しかし、健康保険適応外になるためか、
なおざりにする医師がいるのが現状です。

私は体外受精を受けている、あるいは視野に入った方のために
IVFカウンセリングをおこなっています。
体外受精を何回も受けた方とお話ししていて痛感するのは、
頭がかたくなって柔軟性を欠いているということです。
これはその方がもともと頭が固いのではなく、
状況がそのように追いやってしまっているのです。

こうした方には、体外受精するしか妊娠する方法がないと
思いこんでいる方も少なくないのです。
これから体外受精にステップアップしようという方は、
不妊治療が自分の人生にとってどのような位置づけにあるのか、
真剣に考えていただきたいと思います。

もし妊娠しなかったら、そのとき自分はどう考えるのか? 
子どものいない人生を選択する生き方もあるのではないか? 
そういうことも含めて考えてほしいのです。

世の中には、子供の虐待や、ネグレクト(育児放棄)
などといったニュースが、毎日のように報道されています。
その一方で、子どもに恵まれないカップルがたくさんいます。

「不妊ルーム」に来られる方は、不妊治療でつらい経験されていたり、
子どもを授かることに、つまづきを感じているわけです。
私はいつも思うのですが、そうしたハードルを乗り越えて
子どもを授かった場合、つきあって、結婚して、
ごく自然に子どもができたカップルより、
より深い思索をもって子育てができるのではないかと、、、。

ですから、私は、『35歳からの妊娠スタイル』(主婦と生活社)の
エピロ?に、そうした女性のメールを挿入したのです。

エピローグから

 ひとりでも多くの女性が、私に下記のメールをくれた
 お母さんのようになってもらえるようにと心から祈ります。

 夜泣きで1時間おきに起こされたり…生活が大きく変わりました。

 欲しくて欲しくてやっとの思いで授かった子です。
 大変なのは今だけ…と。

 私は授乳時、いつも同じ言葉を繰り返し息子に語っています。

 どうか、心身共に健康で明るく素直に育ちますように。
 息子の人生が人に恵まれた人生となりますように。
 いつか…心の優しい女性と出会い、
 温かい家庭を築くことができますようにと。

体外受精卒業というキーワード

最近「不妊ルーム」に訪れる方で、第一子を体外受精で授かって、
第二子を自然妊娠したいという方がとても増えています。

そうした女性のひとりが発した言葉が、
「体外受精は卒業しました。第二子は先生のところでお願いします」
というものでした。

私はこれはよい傾向なのではないかと思っています。
私は比較的年齢の若い女性に対しても、ご夫婦が納得されるのであれば、
体外受精に進んでみてはとアドバイスすることも多くなりました。

手段を選ばずという言葉はあまりよくないかもしれませんが、
カップル、とりわけ女性は、お子さんをひとり授かると、
精神的にとても落ち着くものです。
そして第二子に関しては、冷静に戦略的な対応がしやすいのです。
体外受精は自由診療なのですから、医療側の裁量権も大きいのですが、
カップル側も消費者感覚で、イニシアティブをもつことが大切です。

しかし体外受精は人工授精などに比べると、桁違いに高額な医療です。
ですから医療機関の選択と言うことが何よりも大切になってきます。
セカンドオピニオンが大切な理由がここにもあります。

レッスン:体外受精卒業も考える