「不妊ルーム」

Archive for 5月, 2018

子宮卵管造影には、重要なことがあります。
それは、治療的側面が強い検査であるということです。
じっさい、子宮卵管造影の検査のあとに妊娠率がアップすることは、
よく知られています。
 
卵管が完全に閉塞しているのでなく、通りが悪い程度であれば、
この検査をしたあとで妊娠することはよくあります。
卵管の通りがよくなり、軽い癒着であれば
はがれてしまうともいわれています。
子宮卵管造影検査のあとの6か月
とくに最所の3か月は妊娠しやすいのです。
 
この子宮卵管造影の治療的側面はひじょうに大切です。
そのため初期に行われることが多い子宮卵管造影検査ですが、
なるべく妊娠しやすいタイミングで行うほうが有利です。
たとえば基礎体温表や、ホルモン検査から黄体機能不全が疑われる場合、
漢方薬、排卵誘発剤、黄体ホルモン投与などで、
身体のコンディションをよくしてからこの検査を受けると、
より妊娠しやすいと思います。

こまえクリニック「不妊ルーム」でのフォローアップに関する質問を、
多くいただいております。
「不妊ルーム」でおこなっていることをひと言で言えば、
『内診台のない妊娠へのアプローチ』です。そうした方法で、
今日に至るまで1,919名の方が妊娠されています(2017年2月20日現在)。

「不妊ルーム」のモットーは、
”不妊治療だけが妊娠に至る道ではない”ということです。

そして、当院でのフォローアップの大きな特徴は、
漢方薬を積極的に用いることにあります。
「不妊ルーム」では、妊娠された女性の8割が、漢方薬を服用しています。
そして、適切な漢方薬を選ぶために、西洋医学的な考えで、
「採血によるホルモンチェックのデータ」と
「基礎体温表」を重視しています。

不妊治療に関する、全国的な傾向として、
年を追うごとのエントリーする女性の高齢化という事情があります。
「不妊ルーム」も例外ではありません。
現在「不妊ルーム」に通院されている方の中心は、
30代の後半~40代へ移行しつつあります。

こうした事態に対応すべく、
数年前よりDHEAという新しいサプリメントを取り入れましたが、
その効果が現れています。
DHEA導入後、37歳以上で妊娠される方が、
約2割アップしました。
そして、「不妊ルーム」で妊娠される方の7割は、不妊治療経験者です。

不妊治療をやめるとき

不妊治療をいつやめるかというのは、ほんとうにむずかしい問題です。
これは、不妊治療を10年間続けた45歳の女性からのメールです。
私がメールで不妊治療からリタイアすることをすすめたことに対して、
お礼を書いてきてくれたのです。

   誰かにそう言ってほしかったのだと思います。
   ここまで治療をがんばってきた私たち夫婦には、
   とても自分たちで踏ん切りをつけることができなかったでしょう。
   ふり返れば、私たち夫婦には桜の花が美しいと感ずる
   心の余裕もありませんでした。

赤ちゃんがほしい、この切実な願いをかなえたいと
不妊治療に足を踏み入れ、身体的精神的苦痛を味わい、
経済的負担を強いられているカップルはたくさんいます。
不妊治療はオール・オア・ナッシングであり、
どんなにがんばっても赤ちゃんに恵まれないカップルはいるのです。

不妊治療を続ければ続けるほど、
赤ちゃんへの思いはつのると思いますが、
いつかは決断をしなくてはならないときもきます。

不妊は、その人の人生観にかかわる問題でもありますが、
どうしても赤ちゃんができなければ、
赤ちゃんのいる生活がすべてではないと
割り切ることも必要になってきます。
不妊治療をこれから始めるという方は、
そのことも夫婦で確認し合うことがたいせつだと思います。

 ちょっとがっかりするような、ホッとするようなお話をしましょう。
両方に不妊の問題がないカップルの場合、
1回の生理周期あたりの妊娠率は15~30パーセントといわれます。

 ところが、同じ哺乳類でもっとも人類に近いといわれる
チンパンジーで70パーセントが妊娠します。さらにマウスとなると、
排卵された卵子のほとんどすべてが受精して
子宮内で発育することがわかっています。
つまり人間は、妊娠しやすい生き物ではないのです。

 何もチンパンジーと比べなくてもと思うかもしれませんが、
わざわざこのような例をあげたのは、子どもが欲しいのに妊娠しないと、
すぐ「不妊症」だと思い込んでしまう人がたくさんいるからです。
でも、夫婦ともまったく不妊の原因がないカップルが、
排卵日に合わせてセックスをしても、半数以上は妊娠しないわけです。
まずは、肩の力を抜いて深呼吸してみましょう。

人間にとって、思い込みは怖いものです。
負けると思って出た試合は、戦う前から負けているようなものです。
よく自己暗示といいますが、スポーツ選手では
イメージトレーニングを大切にしている人がたくさんいます。
私は妊娠においても、同様のことがいえるような気がしています。

「自分には赤ちゃんができないのではないか?」
といったマイナスの自己暗示は、
本来備わっている妊娠力が低下していまうことにもなりかねません。
何事においてもそうですが、気持ちがネガティブだと、
なかなかよい結果というものは生まれないものです。

私のクリニックに訪れる方にも、私のアドバイスに、
いちいちできません「無理です」と言う方がいます。
そういうネガティブ思考の方の場合、
妊娠までの道のりが遠いなと思てしまいます。
また、そういう人は友人たちとの会話でも
「そんなのムリじゃない? やめたほうがいいよ」
と言っているかもしれません。ムリかどうかなんて、
やってみなければわからないことが多いのです。

このようなタイプの人は、自分に対してもネガティブな
自己暗示をかけてしまいます。他人の発言に「ムリ」というのは、
自分は前に進めそうにないから「あなたも私と同じところにいて」
という心理が隠されているかもしれません。
へんな自己暗示でせっかくの妊娠力を低下させないように。




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