「不妊ルーム」

Archive for 4月, 2018

排卵した卵子が精子と受精できる能力を持つのは、
通常24時間以内と考えられています。
この時期にタイミングよくセックスを持った場合、
女性の膣内には通常1億~3億程度の精子が放出されることになります。
排卵する卵子は1個なのに対して、1回に放出される精子は数億個です。
ここから精子の受精に向けたいわばサバイバル・レースが始まるのです。

まず、精子は子宮の中に移動しなければならないのですが、
これも膣から子宮へ向けて時間をかけて
泳いでいくようなイメージを持つかもしれませんが、そうではないのです。
膣内は外界の微生物などから守るため、弱酸性に保たれています。
精子はタンパク質が成分であり、
酸性の環境下で長時間生存することはできないのです。
子宮はその断面をみればわかるようにスポイトの形をしていますが、
膣から子宮内への精子の移動はスポイト現象による、
いわば瞬間的な出来事なのです。
数億個の精子のうち、子宮の中へ移動できるのは通常1%以下です。

子宮にたどり着いた精子は、今度は卵管を目指し、
さらに卵管膨大部に待ち受ける卵子へと向かって進んでいきます。
通常セックスから卵管膨大部まで、
精子が辿り着くのは数十分から
数時間の程度の出来事だと考えられています。
精子の受精能力は卵子よりは長く、
通常40時間から70時間程度ですが、
中には1週間前後生存する場合もあります。

卵管膨大部で、卵子の近くまで辿り着ける精子は、
数百程度にまで淘汰されているのです。
卵管膨大部にある卵子は、卵子単独で存在するのではなく、
その周りを幾重にも卵丘細胞が卵子を守るような形で取り囲んでいいます。
精子はそうした細胞の中をかき分けるように
受精を求めてさらに突き進んでいくのです。

性急な不妊治療はNGです

妊娠とはまったく関係ない一般論を言っているように聞こえるでしょうか? 
でも、そんことはありません。
どうも私には、今どきの「急がば急げ」の不妊治療が、
生活の中から、あなたのうるおいを奪ってしまう気がしてならないのです。

■自分は不妊専門の医療機関に通っているのですが、
治療のステップアップが早そうで、
今すぐに人工授精や体外受精をすすめられたらどうしようか、
本当に悩んでいました。
先生もお忙しいせいかほとんど話を聞いてくれません。
でも、今すぐに高度生殖医療を受けるのはやめようと心に決め、
その代わり心と体を妊娠しやすい方向に持っていこう、
何も急ぐ必要はないと思ったら、なんだか気持ちがスッキリしました。■

実際、不妊治療の医療機関には、型どおりの診察と、
テンポの速いステップアップで治療を行うところが少なくないようです。
患者さんが治療のテンポについていけなかったり、
ステップアップに躊躇していることに、
先生は気付いてくれているでしょうか? 
急いだからといって、いい結果が必ず出るものではありません。
もっとじっくり、ときには回り道をすることが、
案外早道だったりするのが「妊娠」です。

妊娠しやすい排卵日はいつか?

 基礎体温をつけていくと、ある程度排卵日を予測できます。
長い間、低温期の最後にさらに一段体温が下がる日があり
(最低体温日)、この日が排卵日だとずっと考えられてきました。
これは、卵巣の中で育った卵胞が破れて排卵すると
卵胞は黄体というものに変化し、
ここから分泌される黄体ホルモンによって体温が上昇します。
ですから、この体温がいちばん下がった日を排卵日とすることは、
理にかなっていました。

 ところが、経膣超音波法の登場によって、
卵胞の大きさまで測定できるようになると、
排卵の時期を数時間単位で予測できるようになりました。
そして、実際に排卵が起こった時期を調べてみると、
必ずしも最低体温日に排卵するわけではなく、
むしろ、その翌日のほうが頻度が高いことがわかってきました。

 おおよその頻度を示すと、最低体温日前日5%、
最低体温日22%、最低体温日翌日(低温相最終日)40%、
最低体温日翌々日(高温相初日)25%です。
最低体温日=排卵日という考えがまかり通っていますので、
まずはこの事実を認識することが重要です。
そして、最低体温日の前日からの5日間は、
最も妊娠しやすい「GOLDEN 5DAYS」です。
この期間のセックスの頻度を高くすると、妊娠の可能性は高まります。

レッスン:基礎体温表によって排卵日をつかもう

漢方薬と妊娠力アップ

「不妊ルーム」での漢方薬を使用する際の特徴として、
西洋医学的な視点をもって処方するということです。

黄体機能不全であれば、漢方薬の服用によって、
黄体ホルモンの数値が改善してくるかどうか、排卵障害であれば、
実際に超音波検査で排卵が認められるか、
などといった確認をしているのです。

そして、健康保険適応ですから、
本人負担は、月に2000~3000円程度です。

実際に当院の漢方薬を服用されている女性は、
漢方薬について以下のような感想を寄せてくれています。

●先週から漢方薬を飲んでいますが、煎じて飲むと
体がポカポカしてくるなぁと感じます。
まだ1週間程度なので効果は実感しづらいのですが
ぜひ続けていきたいと思います。
出先ではなかなかお湯に溶かして飲むのが難しいですが、
最近では職場に水筒を持参するなどして
できるだけそうするようにしています。
ただ味が苦手でココアと混ぜたらどうかなど、画策しています(笑)

●私の場合もFSHの数値が改善したり
生理痛が楽になったりと、効果がすぐみられました。
病は気から? ということも要因かもしれませんが(笑)
値段も負担にならないですし、妊娠に関係なく
体調改善という視点でも引き続き飲んでいきたいものです。

●私はのど(扁桃腺)が弱く、だいたい季節の変わり目には
のどを悪くしていたのですが、昨年夏から飲み始め、
そういうことがなくなりました。
毎年冬は手先、足先の冷えもひどかったのですが、
その点も改善したと思います。
心なしか肩こりなども緩和したような。
漢方薬はこれまで飲んだことがなかったのですが、
こんな良い副作用があるとは嬉しいです。

妊娠5割の壁

かなり前の話になりますが、「不妊ルーム」で
女性のフォローアップを行うようになってから、
”5割の壁”というものを、意識した時期がありました。

今から12年前に『妊娠レッスン』という本を出し、
幸いなことにベストセラーとなったこともあり、
「不妊ルーム」でフォローアップを希望される方が増加しました。
それと共に、妊娠される方も、月を追うごとに増えていったのです。
そして、フォローアップした方が、その後妊娠されのかを追跡したところ、
半数弱の人が妊娠されていることがわかってきました。
「基礎体温表」と「排卵日検査薬」を用いて、タイミングをとってもらい、
さらに足りないところを、漢方薬などで補填するという方法で、
多くの女性が妊娠したのです。

そして私は、「なんとか、半数以上の女性に
妊娠してもらうことができないか?」と、
考えるようになるようになりました。
しかしながら、それは困難でした。

なぜなら、歳を追うごとに、「不妊ルーム」を訪れ、
そしてフォローアップを希望される女性の年齢が、上昇してきたからです。
さらに数年経つと、当院で第一子を妊娠され、出産された方が、
4、5年経って、第二子を希望で、再訪されるケースが増えてきたのです。
第一子の出産が30代半ばであれば、
第二子は、40歳前後ということになります。

現在では、フォローアップを開始したころに比べると、
平均年齢が約4.5歳上昇し、30代後半の女性が、
当院でフォローアップを行っている方のメイン層なのです。
もっとも、私の方でも、「DHEAサプリメント」
を取り入れるなどの工夫したところ、
今では、40代で妊娠されることは、普通のことになりました。




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