「不妊ルーム」

Archive for 3月, 2018

人間にとって、思い込みは怖いものです。
負けると思って出た試合は、戦う前から負けているようなものです。
よく自己暗示といいますが、スポーツ選手では
イメージトレーニングを大切にしている人がたくさんいます。
私は妊娠においても、同様のことがいえるような気がしています。

「自分には赤ちゃんができないのではないか?」
といったマイナスの自己暗示は、
本来備わっている妊娠力が低下していまうことにもなりかねません。
何事においてもそうですが、気持ちがネガティブだと、
なかなかよい結果というものは生まれないものです。

私のクリニックに訪れる方にも、私のアドバイスに、
いちいち「できません」「無理です」と言う方がいます。
そういうネガティブ思考の方の場合、
妊娠までの道のりが遠いなと思てしまいます。
また、そういう人は友人たちとの会話でも
「そんなのムリじゃない? やめたほうがいいよ」
と言っているかもしれません。
ムリかどうかなんて、
やってみなければわからないことが多いのです。

このようなタイプの人は、自分に対しても
ネガティブな自己暗示をかけてしまいます。
他人の発言に「ムリ」というのは、
自分は前に進めそうにないから
「あなたも私と同じところにいて」
という心理が隠されているかもしれません。
へんな自己暗示でせっかくの妊娠力を低下させないように。

誰でも、自分の作品を褒められるのは嬉しいものですし、
ネガティブに評価されれば悲しくなります。

私の本『35歳からの妊娠スタイル』でも、
いろいろな感想メールをいただいております。
幸いなことに、そのほとんどが「おもしろかったです」
「一気に読めました」などといったものが多いのです。
そして、本の内容を具体的に評価されると、
とても報われたような気持ちになります。

「不妊ルーム」に通院されている方で、
「抽選器の話が大変良かったです。
あそこを読んで、AMH(抗ミュラー管ホルモン)のことが
本当によく理解できました」と述べてくれた方がいました。
私は、そのコメントをとてもうれしく思いました。
それは、AMHという難しい医学用語を、
どのように多くの人々にわかりやすく説明するか、苦心したからです。

ある日、家電品量販店の店頭で、抽選器で賞品を渡している光景を、
私はたまたま目にしました。
そして、「抽選器で卵子のエイジングとAMHの関係を
説明できるのではないか!」と、閃いたのです。
また、「体外受精における排卵誘発を
まぐろ漁の例え話だわかりやすかったです」
と、述べてくれた方もいました。

妊娠しやすいダイエット

ダイエットに関心のない女性は、いないと思います。
しかしながら、多くの女性が理想としている体型は、
女優さんや、雑誌のグラビアなどのモデルさんだったりします。
しかし、女優さん、モデルさんたちの体型は、
私の目から見れば痩せすぎです。
もしあなたが妊娠を願うのであれば、
妊娠へアプローチしていけるダイエットを
目指していただきたいと思います。

BMI(ボディ・マス・インデックス)というのをご存知でしょうか? 
体重(kg)÷身長(m)÷身長で計算される値です。
そしてこのBMIという値が、男女ともに22が理想とされます。
なぜなら、統計的にBMI値22の人が、
最も色々な病気にかかりにくいことが知られているからです。

有名人で言えば、フィギアスケートの浅田真央さんは、
プロフィールによると、体重が46kgで身長が162cmと記されています。
計算すると、46÷1.62÷1.62で、BMIは17.5になります。
フィギアスケートにはいいのでしょうが、
少し痩せすぎという評価になるでしょう。

理想的な体型というものは、時代と共に変化します。
例えばルネサンス期のヨーロッパの絵画を思い出してください。
母親の象徴として描かれる聖母マリアは、
私達の目から見れば、ほとんどの絵画で、
少し太っていると感じるのではないでしょうか? 
レオナルド・ダ・ビンチの「モナリザ」も、
やはり痩せている風には見えません。
あの時代はあの体型が、最も美しいと考えられていたのでしょう。

もしあなたが妊娠を考えるのであれば、最も病気になりにくい、
BMIが22になるようなダイエットを心がけてみてはいがでしょうか。

 ちょっとがっかりするような、ホッとするようなお話をしましょう。
両方に不妊の問題がないカップルの場合、
1回の生理周期あたりの妊娠率は15~30パーセントといわれます。

 ところが、同じ哺乳類でもっとも人類に近いといわれる
チンパンジーで70パーセントが妊娠します。さらにマウスとなると、
排卵された卵子のほとんどすべてが受精して
子宮内で発育することがわかっています。
つまり人間は、妊娠しやすい生き物ではないのです。

 何もチンパンジーと比べなくてもと思うかもしれませんが、
わざわざこのような例をあげたのは、子どもが欲しいのに妊娠しないと、
すぐ「不妊症」だと思い込んでしまう人がたくさんいるからです。
でも、夫婦ともまったく不妊の原因がないカップルが、
排卵日に合わせてセックスをしても、半数以上は妊娠しないわけです。
まずは、肩の力を抜いて深呼吸してみましょう。

 婦人科という診療科目の名称の拘束性のためか、
精液検査を全くおこなわないで女性のみの検索、
加療をすすめているというケースも多くみてきました。
現在、男性因子による不妊は年をおうごとに増加しており、
私が目からみてもほぼ不妊の原因は
男女半々ではないかと思えてくるほどです。

 女性因子の検索は、子宮因子、卵巣因子、卵管因子、
脳下垂体からのホルモンチェックなど多岐にわたりますが、
いろいろな検査をおこなっても、3割程度が
原因が特定できない機能性不妊という診断になってしまいます。

 一方、男性因子は精液検査を一度おこない、
異常がなければ男性側は異常なしということになります。
簡便であることを考えれば、
この検査をおこなわないというこは考えられません。
しかし、現実に全くおこなわれていないケースが本当に多いのです。

 私は、基礎体温が二層できれいであり、
精液検査において異常が認められず、
子宮卵管造影検査で通過性が確認されれば、
妊娠はあり得るという立場で考えます。
そして、これ以外の多岐にわたる検査について、
実は婦人科医の間でも意見の統一が
はかられていないというのが現状だと思います。

医療機関を利用するという立場で考えれば、
別に不妊治療に特化しているような医療機関を
選ぶ必要は私はないと思うのです。
むしろ、気楽に自分達の現状を確かめたいと思うのであれば、
総合病院などで男性が泌尿器科を受診して精液検査を受け、
女性が婦人科を受診し子宮卵管造影検査を受ける。
そして、ともに異常がないと確認されれば、
また半年ないし1年程度様子をみてみるというのも、
一つの選択肢だと私は思います。




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