今から8,9年ほど前のことでしょうか? 
42歳の女性が、二人目不妊の相談に見えたことがありました。
彼女は30代半ばで一人目のお子さんを出産し、
それからしばらくして二人目を希望しました。
しかし、なかなか授からないため、不妊治療のドアをノックして、
数年間の治療をおこないました。
それでも妊娠しないということで、「不妊ルーム」を訪問されたのです。

私は彼女の年齢、検査所見、そしてこれまでの経過などから、
「妊娠は難しいでしょう」と、率直な意見を述べました。
彼女は肩を落としながらも、心情を吐露しました。

「実は私もひとりっ子です。しかし私は、両親以外に祖父母、
そして周りに親戚の方も数多くいる中で育ちましたので、
そんなに淋しい思いをすることはありませんでした。
しかし私の子どもが大きくなった頃を思うと、
本当に周りにだれも血縁のある人がいないのではないか。
そうであるならせめて、肉親を残してあげたい、
私はそのように思ったのです。」

今の時代、人間関係が希薄というか?BR> コミュニティの力が弱くなっていると思います。
ですから家族という絆を大きくしたいという彼女の思いは、
本当にうなずくものがありました。
そのことが直接のきっかけかどうかわかりませんが、
私は二人目不妊に積極的に取り組むようになっていきました。

それからは、「不妊ルーム」で一人目を妊娠された方が、
数年経って二人目を希望して
再度訪れるというケースが増えてくるにつれて、
二人目不妊ということが、私にとって大きなテーマとなっていきました。

ひとりでも多くの方の二人目、そして三人目の希望にも叶うよう、
「不妊ルーム」は努力していきたい、そう思うのです。


「不妊ルーム」

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