「不妊ルーム」

Archive for 9月, 2017

二人目不妊はなぜ多い?

二人目不妊のカップルがとても増えています。
二人目不妊においても器質的な問題が、
一人目を出産した後にも生じ得ますから、
一通りのスクリーニングの検査をすることは意味のあることです。
しかし、もし特定の原因が見いだせないのであれば、
不妊治療だけに期待するのではなく、二人のこれまでを振り返り、
生活を見直してみることで、
手がかりを見いだすことができる場合も多いのです。
二人目不妊を克服するカギが、
セックスに「新鮮さ」を見いだすことだったりします。

不妊治療の現状において、一人目不妊、二人目不妊を問わず、
女性の年齢が35歳以上であった場合、
非常に短い期間で体外受精に誘導されるケースが、
目立って多くなってきています。
私のこれまでの不妊相談の経験から、二人目不妊に対しては、
高度生殖医療は、あまり考えてほしくないと思っています。

第一の理由は、何よりもその医療費が
膨大であるということがあげられます。
そして、二人目不妊であっても高度生殖医療の妊娠率は、
年齢とともに低下していきますから、
二人目のお子さんを授かる確率も低くなっていきます。

子供は小さい時はとても手間がかかりますが、
親の手がかからなくなってくるころから、
今度はお金がかかるようになってきます。
体外受精という大きな医療費を投資した場合、
今いるお子さんに将来そのツケが回ってこないのか心配するのです。
ですから、二人目不妊も含め不妊治療は、
ファミリー・プランニングとしてではなく、
ライフ・プランニングと位置づけてほしいと思います。

35歳からの妊娠戦略

自分は自然妊娠でいくべきか、あるいは人工授精や
体外受精を視野に入れるべきか……
こうした妊娠へのアプローチ法に関しては、女性の年齢が高くなるほど、
私は「Yの字思考」という考え方がたいせつになってくるように思います。
「Yの字思考」とは、妊娠へのアプローチにAとBの2つのルートがあった場合、
AとBのどちらのルートを進むかを早めに決定しようという考え方です。

不妊治療で医療機関を訪れた場合、
一般的にはステップアップ法という形で進んでいきます。
まず半年から1年間タイミング法を行い、それでも妊娠しなければ、
人工授精へとステップアップし、人工授精を通常5~6回行います。
それでも妊娠しなければ、体外受精などの高度生殖医療へと
ステップアップするのが一般的なルートです。

しかし、女性の年齢が高い場合において、
たとえば人工授精に多くの時間を費やしてしまうようなことがあると、
体外受精にエントリーしても妊娠しにくくなってしまいます。
女性の年齢が高くなればなるほど、
体外受精の妊娠率が低下するという事実があるからです。

そこで「Yの字思考」という考え方がたいせつになってくるのです。
Yの字のように、ものごとの進路をAorBの両ウィングで考える――
たとえば、あなたが不妊治療を積極的に視野にいれるのであれば、
体外授精などの高度生殖医療への期間をあまり長くおかないことを指します。
通常のステップアップ療法に対して、私はジャンプアップということを、
勧めることも多くなってきました。
すなわちタイミング法が上手く行かなかったカップルに、
人工授精をスルーして、体外授精にエントリーする、
あるいは、不妊治療というものを体外授精からスタートする、
こういったやり方を、私はジャンプアップと言っています。

不妊治療をやめるとき

不妊治療をいつやめるかというのは、ほんとうにむずかしい問題です。
これは、不妊治療を10年間続けた45歳の女性からのメールです。
私がメールで不妊治療からリタイアすることをすすめたことに対して、
お礼を書いてきてくれたのです。

   誰かにそう言ってほしかったのだと思います。
   ここまで治療をがんばってきた私たち夫婦には、
   とても自分たちで踏ん切りをつけることができなかったでしょう。
   ふり返れば、私たち夫婦には桜の花が美しいと感ずる
   心の余裕もありませんでした。

赤ちゃんがほしい、この切実な願いをかなえたいと
不妊治療に足を踏み入れ、身体的精神的苦痛を味わい、
経済的負担を強いられているカップルはたくさんいます。
不妊治療はオール・オア・ナッシングであり、
どんなにがんばっても赤ちゃんに恵まれないカップルはいるのです。

不妊治療を続ければ続けるほど、
赤ちゃんへの思いはつのると思いますが、
いつかは決断をしなくてはならないときもきます。

不妊は、その人の人生観にかかわる問題でもありますが、
どうしても赤ちゃんができなければ、
赤ちゃんのいる生活がすべてではないと
割り切ることも必要になってきます。
不妊治療をこれから始めるという方は、
そのことも夫婦で確認し合うことがたいせつだと思います。

 タイミング法の基本中の基本が
「基礎体温表」をつけるということです。
最近、不妊治療の現場ではだんだんと、
この基礎体温表がないがしろにされているように感じていますが、
残念なことです。

また、つけることが目的となって、
有効に活用していない方もたくさんいます。
基礎体温とは、目がさめたらベッドから起き上がる前に
測る体温のことです。
測るといっても普通の体温計ではなく「婦人体温計」を使います。

 私は、基礎体温表つけることは、妊娠を望む人にとって、
ほかのどんな検査よりも重要だと感じています。
なぜなら、基礎体温表を2~3か月もつけていると、
鏡があなたの姿を映し出すように、
基礎体温表があなたの卵巣の状態を映し出しようになってきます。
もちろん、排卵の日を予測するという意味でも重要です。
基礎体温を測ることは、いわば家庭でできる不妊の検査です。
これから不妊治療を受けるという人にも、
基礎体温表をつけることをぜひともおすすめします。

また、高額の婦人体温計には、
体温を測ると同時に基礎体温表が記録できるものがありますが、
私はそうしたものはおすすめしていません。
数カ月間の経過をひと目で見ることができないからです。

 基礎体温は毎朝7時に測るものだと思っている人も多いようですが、
これも正しくはありません。時間にこだわりすぎと、
なにより長続きしなくなります。
基礎体温は、起床の直前に測る体温だと思ってください。
そして、基礎体温を測ったら、必ず基礎体温表に書き込んでください。

 基礎体温表には、一般に市販されているノートブック型のものや、
最近ではインターネット上からダウンロードできるものもありますが、
私はこのような基礎体温表をおすすめしていません。
その理由をひとことでいってしまえば、
ページが変わることによってつながりがわからなくなるからです。
とくに、薬などを服用している場合は、
効果の判定などもすぐにつかめないこともあります。
そこで私は、数ヶ月間の基礎体温がひと目でわかる
横長のもをおすすめしています。
また、高温期と低温期の境界線である
36・7℃に赤い線がひいてあるものが理想です。

「短所は裏から見れば長所」という言葉があります。
私は、こういう言い方が大変好きです。

たとえば、20代の若さでママになったのであれば、
体力も充実していますから、子育てもパワフルにできるかもしれません。
そして、あなたが30代後半でお母さんになったのだとすれば、
20代のママのように、力強い子育てはできないかもしれません。
しかし、ちょっとあなたの人生を振り返ってみてください。
 
もし、あなたが仕事を持っていた女性であれば、
会社で新規事業を企画して、それをパワーポイントなどを使って
プレゼンしたのではないでしょうか。
あるいは、新人の研修をしたり、プロジェクトの中心としてがんばったり
……すなわち、あなたの人生の経験値が、とても高いわけです。

そうした人生経験は、妊娠へのアプローチにも生かすことができます。
35歳以上の妊娠は、戦略を持つことが大切です。
あなたのいま置かれている状況を冷静に分析し、
どうすれば妊娠に近づくのか、どんな治療を望み、
そしておこなえばよいか、より大局に立って判断しようということです。
そのために必要なのが、これまでの経験です。
ものごとを判断するとき、あなたの人生経験は必ずいかされるでしょう。
(『35歳からの妊娠スタイル』より)




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