「不妊ルーム」

Archive for 2月, 2017

35歳から母親になる

数年前に「出産」を特集した雑誌で、
25歳、30歳、35歳、40歳で
それぞれ母親になった女性のコメントを見たことがありました。

それぞれの事情があって、それぞれの年齢で、
出産したのだと思いますが、その4人から、
異口同音に出てきたのが、「一番良いタイミングで母親になれた」
という言葉でした。
もっとも人はそのように思い込みたい、
という気持ちもあるのかもしれませんが、、、。
ですから、35歳以上の出産には、
色々なメリットもあると思うのです。

人生の経験値の高い女性の場合、妊娠も、
みずから望んだ時期に至っていることが多いと思うのです。
そうであれば、例えば「できちゃった婚」のように
オロオロすることもあまりないでしょう。
また、これくらいの年代であれば、女性が働いている場合、
ご主人の収入も含め、経済面でも、ゆとりを持った出産、
育児に望めるという利点があると思います。

もっとも母親になればなったで、はじめてのことで、
わからないことだらけですから、オロオロするかもしれません。
しかし、あなたの周りを見回してみれば、
すでに母親になっている友達や、女性が沢山いるわけですから、
こうした、先輩ママ達からアドバイスがもらえるのも
メリットの一つでしょう。
すでに、経験した人のアドバイスというのは、
本に書いてあることや、お医者さんの言うことより、
実感を持って受け止めることができるものです。

たしかに体力面では20代の女性にはかなわないかもしれませんが、
そうしたことは、「智恵」と「人生経験」で
充分乗り切っていけると思います。
そのためには、何より、妊娠前から、
妊娠、出産、そして長い子育てに耐えうる
健康な「身体」をつくっておくことが大切です。

体外受精は金魚すくい!?

「不妊ルーム」では、体外受精を受けようと決めたカップルは、
「自然周期」「低刺激周期」で採卵する医療機関に
紹介することが多くなってきました。
そして、そうした医療機関で実際に体外受精を
経験された方の話を聞いていると、
“体外受精は金魚すくい” なのではないか? 
そんな風に思えてきます。

体外受精が普及してからは、ロング法、
ショート法での採卵が一般的でした。
こうした刺激法では、毎日医療機関に通院して注射をし、
両方の卵巣に数多くの卵を育てて、特定の日に一斉に採卵し、
受精した卵のうち、良好な受精卵(胚)を戻すといったやり方です。
こうした方法は、現在でも主流だと思います。

しかし、体外受精は、医師や培養士の技術が優秀であれば、
ロング法、ショート法は、必要ないと主張する不妊治療医もいます。
自然周期であれば一切薬を使用しないわけですから、
まず通院回数がグッと減ります。

排卵前に、ねらいをつけた卵にスッと近づいていって、
その一個を上手にすくいとってきて、受精させ、
そしてそっと子宮の中に受精卵を戻す。
本当に上手な体外授精-胚移植は、それだけのことなのです。
まさに金魚すくい名人が、ねらった金魚にスッと近づいて、
モナカですくい、お椀の中に金魚を入れることに似ていると思えるのです。
確かに投網を使って、数多くの金魚を捕るという方法もありますが、
これでは網の中の金魚を痛めてしまうでしょう。

現在、不妊治療、とりわけ体外受精にトライしている女性の多くは
仕事を持っていて、「そうたびたびは通院できない」
という声をよく耳にします。
こうした背景があり、自然周期、
低刺激周期採卵が増えているのだと思います。

人工授精の憂鬱

「不妊ルーム」では、毎日いろいろな方々の相談を受けています。
そうした中でも、医療費が高額な体外受精に関する相談は、
深刻さがあります。一方、人工授精を受けている女性の相談には、
ある種の憂鬱さがあります。

それは人工授精1回当たりの妊娠率が5%~8%と、
とても低いことに起因していると思うのです。
「不妊ルーム」では、これまでに人工授精を、
20回~30回経験したという方の相談も、ときどき受けます。

人工授精を何回も受けたことがある方ならおわかりになると思いますが、
最初の2,3回は、「妊娠できるのではないか?」と期待します。
しかしこれが5,6回ともなると、気持ちが惰性的になってしまうのです。
そして人工授精が、10回を越えたあたりからは、
「妊娠なんてかすりもしない」「妊娠は別世界のこと」と、
思えてくるとおっしゃいます。

不妊治療医の中には、「人工授精で妊娠する人は3回までに妊娠する」
とか、「人工授精で妊娠する人は、タイミング法でも妊娠できる」
という言い方をする医師もいます。

人工授精を何回も経験した方の相談や、
不妊治療の医師の意見などを聞いているうちに、
私は人工授精をスルーする=”ジャンプアップ ”ということもありだと、
考えるようになったのです。

不妊治療は、人工授精から健康保険適用外の自由診療となります。
自由診療は、医師の裁量権が大きくなりますが、
そうであれば、患者サイドの意志も、
より大きく反映されていいと思うのです。
その意味からも、患者ではなく、 
”消費者 ”という自覚を持つことがとても大切だと思うのです。

体外授精の妊娠率の実際

 日本産科婦人科学会の統計から読みとると、
体外受精という治療1回当たりの妊娠率は22.1%。
そして、最終的に赤ちゃんを抱いて帰れる生産率は15.1%。
すなわち、体外受精にエントリーしても、
7人に1人しか出産にいたっていないというのが厳粛な事実です。

 体外受精における妊娠率が、HP上に医療機関が
アップロードしている情報や、妊娠率と生産率の間に
これほど大きな開きがあるのは、
一つは妊娠の判定そのものが曖昧だからです。
そして、体外受精で妊娠に至っても、
自然妊娠に比べると流産をする確率も高いというのも事実です。

 年を追うごとに体外受精によって産まれてくる子供数は増加していますが、
これらは体外受精にエントリーしている人が
増え続けていることの反映であり、
妊娠率そのものはここ10年ほぼ横ばいといって間違いありません。

 平均値が22.1%ですから、当然それより成績の良い施設、
そうでない施設が存在するわけですが、
体外受精での妊娠率が5割や6割
などということは絶対にあり得ません。
ホームページ上などで多く見かける数字に私は首をかしげますが、
皆さん方はそうしたことを
事実として知っておいていただきたいと思います。

 妊娠しやすい基礎体温のパターンとはどういうものでしょうか。
「跳び箱をとびこえるような形がいいんです」と、
私は患者さんに説明しています。

 平坦な低温期が続いたあと、急峻な立ち上がりで高温期になり、
高温期が水平に持続して、ストーンと体温が落ちて、
生理がはじまるというパターンが理想です。
こういう形の基礎体温表を「カウボーイハット型」と呼ぶ医師もいます。

 低温期から高温期へと境界があいまいで、だらだらと上昇する場合は、
卵子の成熟がうまくいっていない可能性が疑われます。
つまりは、妊娠しにくい状態だといえます。黄体の形成もうまくいかず、
高温期の黄体ホルモンの値も低くなりがちなのです。

 高温相と低温相が二相に分かれず、平坦な場合も問題です。
このような基礎体温のパターンでは、
月経があっても排卵がされていないことが考えられます。
このように基礎体温表はあなたの卵巣や子宮を映す鏡なのです。




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