「不妊ルーム」

Archive for 3月, 2016

二人目不妊のケースの多くが、
IVFを必要としないことは、私の本に書きました。
二人目不妊の場合が、セックスの回数不足によることも大きく、
排卵日検査薬を使ったタイミング法のみで
妊娠する本当にケースは多くあります。
しかし、年齢的な問題や、器質的な問題で、
どうしてもIVFを視野に入れなければならないケースがあるのも事実です。

二人目不妊の場合はファミリープランニングではなく
ライフプランニング、とくに経済的事情もよく考えてください。
子供は小さいうちは、手間はかかりますが、
お金はそんなにかかりません。
そして、成長して手間がかからなくなってくると、
今度はお金がかかるようになってくるのです。
IVFの医療費が将来その子につけが回ってこないともかぎらないのです。

 それでもどうしてもIVFを希望するならが、
一人目の不妊の方にもまして、
経済的なプランを厳しくすることが大事です。
もしも赤ちゃんが授からなかった場合、
もう一回、もう一回と無計画に
治療を引き伸ばすことだけは避けてほしいと思います。

■金額が高額なだけ、期待も大きくなり、
成功しなかった場合の心理的負担も大きくなります。
また肉体的負担も大きいので毎月続けられず、
1年間に可能なIVF回数も限られてきます。
高齢になればなるほど年齢のリミットもあります。
IVFに取り組む際は、やはり事前に
「いつまで、いくらまで」を話すことは大切です。
また、成功しない方が当たり前の気持ちで
取り組んだほうがいいような気がします。

「うさぎとかめ」と妊娠

「うさぎとかめ」という有名な童話があります。
かめがうさぎにかけっこで勝てたのは、
うさぎが途中でさぼって寝ていたからです。
不妊治療と「不妊ルーム」の関係も、
「うさぎとかめ」に例えられるのかもしれません。
もちろん不妊治療の先生がうさぎのように、
休んでいたり、さぼったりするわけではありません。

ちょっと考えてみましょう。不妊治療の医療機関には、
うさぎが駆け足で走るように、型どおりの診察と、
テンポの速いステップアップで、人工授精、
体外受精へと進んでしまうところが少なくありません。
患者さんが治療のテンポについていけなかったり、
ステップアップに躊躇していると、
ドロップアウトということも少なくありません。
また、治療の長期化に伴い、ストレスをため込んで
結果的にバーンアウトしてしまう女性も多く見てきました。
「不妊ルーム」は、あくまでもかめの歩みのごとく、
”まったりと、ゆったりと”をモットーに考えています。

もし妊娠へ至る道が、直線レースのようであれば、
かめはうさぎに勝つことなど絶対できません。
しかし妊娠というのは、1周が28日~30日のトラック競技のようなもの。
かめがゆっくり歩いても、走ってきたうさぎが、
あなたのうしろにいるかもしれないと考えてみてはどうでしょうか? 
急いだからといって、いい結果が必ず出るものではありません。
うるおいのある生活を楽しむことで、気分が明るくなることのほうが、
妊娠によい効果をもたらしてくれることも多いものです。

うさぎは全力疾走するかもしれませんが、
かめはあくまでもマイペースで周囲の景色を楽しみながら、
のそりのそりと、のんびり歩いていきます。
私は「不妊ルーム」というのは、
そのような場でありたいと思っているのです。
回り道をすることが、案外近道だったりするのが「妊娠」です。

できちゃった結婚のカップルの話はよく耳にするのに、
自分たちは赤ちゃんができずに悩んでいる。
何か納得いかないと感じている方も多いと思います。
ちょっとその理由づけをここで考えてみましょう。
結婚すると妊娠しづらくなるひとつの理由があります。
それは、結婚するとセックスの回数が
減るカップルが多いということです。
いわゆるマンネリズムが大きな壁となっているのです。

夫婦生活は、どうしても時間の経過とともに新鮮味を失っていくものです。
新婚当初はすべてが新鮮で、うきうき弾むような幸福感があったのに、
日常生活に追われているうちに、
いつのまにかそんな新鮮な気持ちを忘れてしまいがちです。
真新しかったカーテンも、クッションも、ベッドも、
見慣れたというより、見飽きたモノになっているかもしれません。
不便ではないけれど、新鮮味のないマイホーム。
そんな空間のなかで、セックスだけは新鮮な気持ちでなんて、
やはり難しいと思います。

これを打ち破るには、意識して変化をつけていきましょう。
大げさなことをしなければいけないわけではありません。
「不妊ルーム」で妊娠された方に聞いてみると、
それはちょっとした工夫でも案外効果があったようです。
カーテンの色を変えてみる、
ベッドまわりにお気に入りのグッズを並べてみる、
髪型を変えてみる、寝室に鏡を置いてみるなどなど。
旅行に行ったら妊娠したという方がとても多いのも、
環境の変化が普段のふたりに
新鮮な空気を吹き込んでくれたからではないでしょうか。

インターネット不妊にご用心!

インターネットの前に座る時間と不妊度は、正比例の関係にある……
これはあながち冗談ではありません。
「不妊ルーム」での相談の経験から、
そう感じることも少なくありません。
人間というのは、のめりこみやすい動物だからです。

不妊治療にのめりこんでしまった人というのは、とにかく知識は豊富です。
私が参ってしまうような専門用語を書き連ねたメールが
舞い込むこともあります。
しかし、インターネットで得た知識は、偏りがあったり、
ほかの大切なことを見落としていたりします。

これはWeb上の情報は表層的なものが多い
ということも関係していると思います。
また、ネガティヴな症例に自分を重ね合わせ、
落ち込んでしまう人も多いものです。
そのようにして、ますます自分自身を追い込んでいることに、
気づかないのです。

なぜ、こんな深みにハマってしまうのでしょうか?
「子どもができないのはなぜだろう?というごく素朴な疑問をもって、
「なぜかな?」の答えを求めてインターネットに近づくのは、
きわめて自然な成り行きです。

そこまではよいのですが、実際には答えがなかなかみつかりません。
不妊の理由は、人それぞれなのですから
そんなに簡単に答えがみつからないのです。
答えが見つからなければ、余計に知りたくなるのが人間です。
彼女たちが追い込まれるのは、医師の責任という一面もあると思います。
不十分な説明と、早いテンポで進む不妊治療にとまどい、
不安を感じるのではないでしょうか。

インターネットはキーワード検索をすれば、
何万ものサイトがヒットするような情報の海です。
その情報がどれだけ正確であるか、あなたは判断できますか? 
この世界にあまりにも深入りすると、
抜け出すのも難しくなってしまいます。
一度、パソコンの前を離れて、大きく深呼吸してみましょう。

ステップダウンも不妊治療!

現在の不妊治療は、登り道だけの
片道切符しか渡されないケースが多いのです。
しかし私は、不妊治療にも下り道(ステップダウン)があると思うのです。
そこで重要になってくるのが、セカンドオピニオンという考え方です。

セカンドオピニオンとは、簡単にいえば、
現在受けている治療について、納得できな点や、
自分だけでは判断できないことがあったとき、
別の医師の判断を仰ぐということです。
たとえば、主治医に体外受精を進められたとします。
そのとき、別の医師は、「体外受精に進む前に、
腹腔鏡検査をつぎに考えてみてください」
という意見を述べるかもしれません。
これらの意見を参考にしながら、
最終的に患者さんが治療方針を選択するわけです。

体外受精まで進んだカップルが、
治療をやめたら自然妊娠したという話はあちこちから聞きます。
実際、体外受精などの高度生殖医療を行う医療機関での統計でも、
不妊外来受診者の75パーセントは
タイミング法による妊娠だったということです。

私がここで言いたいのは、不妊治療を受けていても、
自然妊娠の可能性、
あるいはより自然に近い妊娠の可能性を追求しようということです。
それはすなわち、不妊治療にはステップアップだけではなく、
ステップダウンもあるということです。

直角三角形の三角定規を思い出してください。
片方は急な坂道、もう一辺はなだらかな坂道です。
どうやら不妊治療は、険しいルートからの登山になることが多いようです。
反対に回ると、ハイキングのような感覚で、
頂上に行きつくこともあるのです。

ちなみに、「不妊ルーム」のフォローアップで妊娠されるカップルの
7割以上が不妊治療経験者です。

レッスン: 不妊治療をやすんでみるのも不妊治療




「不妊ルーム」