Archive for 2月, 2016

27歳の女性が「不妊ルーム」で妊娠されました。
妊娠されたことは、とても嬉しいのですが、
彼女のこれまでの治療に関して、疑問をもってしまうのです。

彼女には、特に妊娠に関する問題はなく、年齢もとても若い方です。
妊娠に至らなかったのは、男性に乏精子症が認められたからです。
しかし精子の数は、極端に低いものではありませんでした。
人工授精で妊娠してもおかしくなかったのではないか、と思っています。

しかしこの方に限らず、最近の不妊治療の傾向として、
女性の年齢、AMHの値、男性因子等を理由に、短期間に、
あるいはこの方のように、人工授精を飛ばして、
体外受精に誘導されるケースが顕著に増えています。

それで彼女は、体外受精を3回おこなったのですが、
妊娠に至りませんでした。
こうした場合、私はやはりその医療機関の体外受精の医療水準、
とりわけ培養士の技術を疑ってしまいます。

私はよく通院されている方に行っているのですが、
体外受精はどこで行うかが全てを決めてしまいます。
また、ホームページ上の情報は、あてにならないと考えてください。

そして、体外受精の医療費は、医療機関によって、
1回あたり、30万円~120万円と、大きな幅があります。
金額と医療機関の実力には、相関関係はありません。
ですから私は、体外受精を考えている方は、
”体外受精を受ける前に相談に来てほしい!”
と切に願っているのです。

男性因子の場合は、ほとんど治療がなされないケースが多いのですが、
「不妊ルーム」では、漢方薬、局所循環剤の内服によって、
この方のように妊娠に至ることは、よくあります。

「不妊ルーム」という、自然妊娠と不妊治療の間のベースキャンプでも、
妊娠を期待できるカップルは多いのです。
何度も繰り返し言うのですが、不妊治療だけが妊娠に至る道ではありません。

妊娠しやすいダイエット

ダイエットに関心のない女性は、いないと思います。
しかしながら、多くの女性が理想としている体型は、
女優さんや、雑誌のグラビアなどのモデルさんだったりします。
しかし、女優さん、モデルさんたちの体型は、
私の目から見れば痩せすぎです。
もしあなたが妊娠を願うのであれば、
妊娠へアプローチしていけるダイエットを
目指していただきたいと思います。

BMI(ボディ・マス・インデックス)というのをご存知でしょうか? 
体重(kg)÷身長(m)÷身長で計算される値です。
そしてこのBMIという値が、男女ともに22が理想とされます。
なぜなら、統計的にBMI値22の人が、
最も色々な病気にかかりにくいことが知られているからです。

有名人で言えば、フィギアスケートの浅田真央さんは、
プロフィールによると、体重が46kgで身長が162cmと記されています。
計算すると、46÷1.62÷1.62で、BMIは17.5になります。
フィギアスケートにはいいのでしょうが、
少し痩せすぎという評価になるでしょう。

理想的な体型というものは、時代と共に変化します。
例えばルネサンス期のヨーロッパの絵画を思い出してください。
母親の象徴として描かれる聖母マリアは、
私達の目から見れば、ほとんどの絵画で、
少し太っていると感じるのではないでしょうか? 
レオナルド・ダ・ビンチの「モナリザ」も、
やはり痩せている風には見えません。
あの時代はあの体型が、最も美しいと考えられていたのでしょう。

もしあなたが妊娠を考えるのであれば、最も病気になりにくい、
BMIが22になるようなダイエットを心がけてみてはいがでしょうか。

子どもを授かるということ

世の中には、子供の虐待や、ネグレクト(育児放棄)
などといったニュースが、毎日のように報道されています。
その一方で、子どもに恵まれないカップルがたくさんいます。

「不妊ルーム」に来られる方は、不妊治療でつらい経験されていたり、
子どもを授かることに、つまづきを感じておられる方が大半です。
私はいつも思うのですが、そうしたハードルを乗り越えて子どもを授かった場合、
つきあって、結婚して、ごく自然に子どもができたカップルより、
より愛着をもって子育てができるのではないかと、、、。

ですから、私は、『35歳からの妊娠スタイル』(主婦と生活社)
のエピローグに、そうした女性のメールを挿入したのです。

『35歳からの妊娠スタイル』エピローグから

 ひとりでも多くの女性が、私に下記のメールをくれた
 お母さんのようになってもらえるようにと心から祈ります。

 夜泣きで1時間おきに起こされたり…生活が大きく変わりました。

 欲しくて欲しくてやっとの思いで授かった子です。
 大変なのは今だけ…と。

 私は授乳時、いつも同じ言葉を繰り返し息子に語っています。

 どうか、心身共に健康で明るく素直に育ちますように。
 息子の人生が人に恵まれた人生となりますように。
 いつか…心の優しい女性と出会い、
 温かい家庭を築くことができますようにと。

妊娠しやすい人、しにくい人

 私が「不妊ルーム」でフォローアップした方で、
妊娠する方が増えてくるにつれて感じるようになったことがあります。
女性の年齢が若く、病気の程度が軽く、治療歴が浅ければ、
妊娠に至りやすいであろうことは容易に想像できます。
しかし、最近つくづく感じるのは、妊娠しやすい心の持ち方、
しずらい心の持ち方というものがあるのではないか、ということです。

 それでは、具体的にはどのような人が妊娠しやすいのでしょうか? 
それは、「赤ちゃんができないことを深刻に受け止めていない人」、
別の言い方をすれば、
「不妊(治療)を生活のほんの一部だと上手にとらえている人」です。

 こんな印象深い方がいました。カウンセリングにこられて
イスに座るやいなや「私はそんなに子どもが欲しいとは思わないんですよ。
でも、夫が赤ちゃん、赤ちゃんとうるさいんです。
それで、背中を押されて相談に来たんです」と言いました。

しばらくフォローアップを続けたところ、
幸いにも4か月後に妊娠反応が陽性になりました。
そのことを彼女に告げると、
「そうですか。それじゃあフラメンコのレッスンはしばらくお休みですね……」
 私も少々あっけにとられましたが、
もしかしたら、このくらいあっけらかんとしているほうが、
妊娠しやすいのではないかと思うのです。

 では逆に、妊娠しづらいという人は、どのような方でしょうか?
「気持ちが前のめりになっている人」を上げることができます。
メール相談や、カウンセリングに来られる方で、
「排卵を1回も逃したくない」「今周期こそは…」と、
非常に力が入っている人がいます。
しかし、こういう方は、本人の意志とは反対に、
なかなか妊娠が難しい、という印象を私は持ちます。

妊娠できない思い込み症候群

精液検査を1回受けて結果が悪いと、
自分は男性機能が劣っているのだと思い込んでしまう方がいます。
こういう方は、再検査を受けることをおすすめします。
精液検査は、体調や採取の状況によって大きく変動するのです。

女性も黄体ホルモンの検査で値が低いと、
自分は黄体機能不全と思い込んでしまう方がいます。
黄体ホルモンの値も生理周期とのかねあいで大きく変動します。
この場合も、検査を受けた医療機関の医師に
再検査をお願いしてみましょう。

ある医療機関で、片方の卵管が閉塞し、
もう片方も通りが悪いといわれた患者さんがいました。
その方は、自分たちには自然妊娠はありえないと思い込んで、
別の不妊クリニックで体外受精を4回受けましたが、
妊娠には至りませんでした。体外受精を受けた医療機関には、
子宮卵管造影の設備がありませんでした。
私は再度、卵管の通過性を確認するため、
子宮卵管造影の設備のある医療機関に検査を依頼しました。
その結果、卵管の通過性に問題がないことが分かりました。

それから2か月後、この女性は妊娠したのです。
この方も通常の自然妊娠はのぞめないと、
セックスレスに近い状態でした。
卵管の通過性に問題がないとわかったことで、
妊娠へのモチベーションが高くなったのだろうと思います。
そして、ホルモンバランスもよくなったのかもしれません。