「不妊ルーム」

Archive for 12月, 2015

二人目不妊のケースの多くが、
IVFを必要としないことは、私の本に書きました。
二人目不妊の場合が、セックスの回数不足によることも大きく、
排卵日検査薬を使ったタイミング法のみで
妊娠する本当にケースは多くあります。
しかし、年齢的な問題や、器質的な問題で、
どうしてもIVFを視野に入れなければならないケースがあるのも事実です。

二人目不妊の場合はファミリープランニングではなく
ライフプランニング、とくに経済的事情もよく考えてください。
子供は小さいうちは、手間はかかりますが、
お金はそんなにかかりません。
そして、成長して手間がかからなくなってくると、
今度はお金がかかるようになってくるのです。
IVFの医療費が将来その子につけが回ってこないともかぎらないのです。

 それでもどうしてもIVFを希望するならが、
一人目の不妊の方にもまして、
経済的なプランを厳しくすることが大事です。
もしも赤ちゃんが授からなかった場合、
もう一回、もう一回と無計画に
治療を引き伸ばすことだけは避けてほしいと思います。

■金額が高額なだけ、期待も大きくなり、
成功しなかった場合の心理的負担も大きくなります。
また肉体的負担も大きいので毎月続けられず、
1年間に可能なIVF回数も限られてきます。
高齢になればなるほど年齢のリミットもあります。
IVFに取り組む際は、やはり事前に
「いつまで、いくらまで」を話すことは大切です。
また、成功しない方が当たり前の気持ちで
取り組んだほうがいいような気がします。

前向きな人ほど妊娠しやすい

”前向きな人ほど妊娠しやすい”、
これは「不妊ルーム」のフォローアップで、私が痛感していることです。
実際、私のクリニックにたずねてくる方は、
みなさん「子どもができない」という現実を抱えています。
同じような状況にあっても、前向きに考えられる方のほうが、
妊娠する確率は高いといえます。

私が「こうしてみたらどうですか?」と言うアドバイスに対して、
いちいち「それはムリです」という言葉が出てきてしまう人は、
ネガティブ系の人だと思います。
私にできることは、妊娠力を高めるためのアドバイスでしかありません。
それを「できない、ムリだ」と拒絶されてしまえば、
とりつく島がありません。

特に、不妊歴が長ければ長いほど、
まるで自分の妊娠は治療という一本のレール上にしかありえないと
思い込んでいるところがあります。
自然妊娠なんて、ぜったいにムリと思っているのです。
ところが不妊治療というレールは、どこまで続くか分かりません。
必ずしも目的地には着かないということは、
まるで考えられなくなっているのです。

反対に、私が投げかけた言葉がすんなり入っていくようだと、
希望がもてるサインだと思います。
アドバイスを前向きに受け止めてくれるだろうと思えるからです。

このように話すと、それはもともとの性格だからしかたがないと
思われるかもしれません。
しかし、そうとばかりはいえません。
明るい性格の方でも、不妊治療歴が長くなってくると、
だんだんと視野が狭くなってくるものです。
医師の言った一言や、医学書に書かれている文葉に縛られて、
「こうでなければならない」と思いつめてしまい、
頭も心も柔軟性を失っている人がとても多いのです。
そういう方と話しているといつも、
脳の表面がコーティングされているような印象を受けます。
私の言葉が、撥水加工のようにはじかれて、ちっとも入っていきません。

だから私は、不妊治療歴の長い人とお話しする際にはかならず、
「今までのことはとりあえず一旦忘れて、
頭の中をリセットしてみてはどうですか?」と
アドバイスすることにしています。
「あなたの頭には書き込みが多すぎるのです。
今日からまた白い紙に書き込みを始めましょう」と。

できちゃった結婚のカップルの話はよく耳にするのに、
自分たちは赤ちゃんができずに悩んでいる。
何か納得いかないと感じている方も多いと思います。
ちょっとその理由づけをここで考えてみましょう。
結婚すると妊娠しづらくなるひとつの理由があります。
それは、結婚するとセックスの回数が
減るカップルが多いということです。
いわゆるマンネリズムが大きな壁となっているのです。

夫婦生活は、どうしても時間の経過とともに新鮮味を失っていくものです。
新婚当初はすべてが新鮮で、うきうき弾むような幸福感があったのに、
日常生活に追われているうちに、
いつのまにかそんな新鮮な気持ちを忘れてしまいがちです。
真新しかったカーテンも、クッションも、ベッドも、
見慣れたというより、見飽きたモノになっているかもしれません。
不便ではないけれど、新鮮味のないマイホーム。
そんな空間のなかで、セックスだけは新鮮な気持ちでなんて、
やはり難しいと思います。

これを打ち破るには、意識して変化をつけていきましょう。
大げさなことをしなければいけないわけではありません。
「不妊ルーム」で妊娠された方に聞いてみると、
それはちょっとした工夫でも案外効果があったようです。
カーテンの色を変えてみる、
ベッドまわりにお気に入りのグッズを並べてみる、
髪型を変えてみる、寝室に鏡を置いてみるなどなど。
旅行に行ったら妊娠したという方がとても多いのも、
環境の変化が普段のふたりに
新鮮な空気を吹き込んでくれたからではないでしょうか。

インターネット不妊にご用心!

インターネットの前に座る時間と不妊度は、正比例の関係にある……
これはあながち冗談ではありません。
「不妊ルーム」での相談の経験から、
そう感じることも少なくありません。
人間というのは、のめりこみやすい動物だからです。

不妊治療にのめりこんでしまった人というのは、とにかく知識は豊富です。
私が参ってしまうような専門用語を書き連ねたメールが
舞い込むこともあります。
しかし、インターネットで得た知識は、偏りがあったり、
ほかの大切なことを見落としていたりします。

これはWeb上の情報は表層的なものが多い
ということも関係していると思います。
また、ネガティヴな症例に自分を重ね合わせ、
落ち込んでしまう人も多いものです。
そのようにして、ますます自分自身を追い込んでいることに、
気づかないのです。

なぜ、こんな深みにハマってしまうのでしょうか?
「子どもができないのはなぜだろう?というごく素朴な疑問をもって、
「なぜかな?」の答えを求めてインターネットに近づくのは、
きわめて自然な成り行きです。

そこまではよいのですが、実際には答えがなかなかみつかりません。
不妊の理由は、人それぞれなのですから
そんなに簡単に答えがみつからないのです。
答えが見つからなければ、余計に知りたくなるのが人間です。
彼女たちが追い込まれるのは、医師の責任という一面もあると思います。
不十分な説明と、早いテンポで進む不妊治療にとまどい、
不安を感じるのではないでしょうか。

インターネットはキーワード検索をすれば、
何万ものサイトがヒットするような情報の海です。
その情報がどれだけ正確であるか、あなたは判断できますか? 
この世界にあまりにも深入りすると、
抜け出すのも難しくなってしまいます。
一度、パソコンの前を離れて、大きく深呼吸してみましょう。

黄体機能不全の新しい考え方

不妊治療において原因が特定されない間、
あるいはその不妊の原因が黄体機能不全や排卵障害と考えられる場合、
通常、排卵の時期に合わせてセックスを指導する
タイミング指導が行われます。

排卵障害に対しては、従来よりクロミッド
(一般名:クエン酸クロミフェン)という薬が頻用され、
現在に至るまで、この薬は不妊治療の首座にある
薬といっても過言ではありません。
実際、この薬により「福音」をもたらされた夫婦は数しれないと思います。
近年、この薬の価値はさらに高まっているように思えます。

それは、排卵障害と黄体機能不全は、コインの裏表のように、
表裏一体の関係にあると考えられるようになったからです。
卵胞が成熟し、排卵を終えた卵胞は黄体というものに変化をします。
その黄体から分泌されるホルモンが黄体ホルモンであり、
このホルモンは体温を上昇させ、妊娠を継続させるという働きがあります。
このホルモンの分泌や作用が十分でない状態を黄体機能不全といい、
臨床的には高温期の基礎体温の低値や、
黄体ホルモン値の低下として現れます。

最近の黄体機能不全の考え方としては、
最初に排卵障害ありきと考えられるようになってきています。
ですから排卵が認められても、黄体機能不全がみられる場合には、
積極的にクロミッドが使用されるようになっています。
「不妊ルーム」でもそうした考えで、
クロミッドを使うことが多くなってきました。




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