「不妊ルーム」

Archive for 11月, 2014

二人目不妊はなぜ多い?

二人目不妊のカップルがとても増えています。
二人目不妊においても器質的な問題が、
一人目を出産した後にも生じ得ますから、
一通りのスクリーニングの検査をすることは意味のあることです。
しかし、もし特定の原因が見いだせないのであれば、
不妊治療だけに期待するのではなく、二人のこれまでを振り返り、
生活を見直してみることで、
手がかりを見いだすことができる場合も多いのです。
二人目不妊を克服するカギが、
セックスに「新鮮さ」を見いだすことだったりします。

不妊治療の現状において、一人目不妊、二人目不妊を問わず、
女性の年齢が35歳以上であった場合、
非常に短い期間で体外受精に誘導されるケースが、
目立って多くなってきています。
私のこれまでの不妊相談の経験から、二人目不妊に対しては、
高度生殖医療は、あまり考えてほしくないと思っています。

第一の理由は、何よりもその医療費が
膨大であるということがあげられます。
そして、二人目不妊であっても高度生殖医療の妊娠率は、
年齢とともに低下していきますから、
二人目のお子さんを授かる確率も低くなっていきます。

子供は小さい時はとても手間がかかりますが、
親の手がかからなくなってくるころから、
今度はお金がかかるようになってきます。
体外受精という大きな医療費を投資した場合、
今いるお子さんに将来そのツケが回ってこないのか心配するのです。
ですから、二人目不妊も含め不妊治療は、
ファミリー・プランニングとしてではなく、
ライフ・プランニングと位置づけてほしいと思います。

妊娠を呼び込む暮らし方とは

「不妊ルーム」に通院されている女性からも、
「妊娠しやすくなる生活の仕方というものはありませんか?」
といった質問を受けることがあります。
こんな生活をすればすぐに赤ちゃんができるという
生活の仕方があればいいのですが、残念ながらそれはありません。
でも、妊娠を呼び込みやすくする生活というものはあると思うのです。

 そのひとつが、副交感神経優位の生活を送ることです。
人間というのは、意志とは無関係に、
交感神経・副交感神経からなる自律神経というものに支配されています。
緊張すると心臓の鼓動が激しくなったり、冷や汗が出たりするのは、
意志とは無関係に、交感神経優位になるからです。

35歳以上の女性では、仕事を持っている女性も多いと思います。
仕事には責任、納期などがつきものですから、
勤務中は否応なしに緊張していると思います。
つまり、交感神経が優位に働くような生活をしているということです。

そのいっぽうで、休み時間にカフェなどでリラックスすれば、
心拍数も減少するでしょうし、リラックスした気持ちになるでしょう。
こうした場合、副交感神経が優位な状態になっています。
私が皆さんにアドバイスしたいのは、家庭ではなるべく、
?副交感神経が優位になる生活を心掛ける?ということです。 
 
具体的に言えば、のんびり、ゆっくり、あせらない気持ちを持つこと。
意識してのんびり、ゆっくり、あせらないことが必要です。

   Lesson : 副交感神経が優位になる暮らし方をしよう

インターネット不妊にご用心!

インターネットの前に座る時間と不妊度は、正比例の関係にある……
これはあながち冗談ではありません。
「不妊ルーム」での相談の経験から、
そう感じることも少なくありません。
人間というのは、のめりこみやすい動物だからです。

不妊治療にのめりこんでしまった人というのは、とにかく知識は豊富です。
私が参ってしまうような専門用語を書き連ねたメールが
舞い込むこともあります。
しかし、インターネットで得た知識は、偏りがあったり、
ほかの大切なことを見落としていたりします。

これはWeb上の情報は表層的なものが多い
ということも関係していると思います。
また、ネガティヴな症例に自分を重ね合わせ、
落ち込んでしまう人も多いものです。
そのようにして、ますます自分自身を追い込んでいることに、
気づかないのです。

なぜ、こんな深みにハマってしまうのでしょうか?
「子どもができないのはなぜだろう」
というごく素朴な疑問をもって、
「なぜかな?」の答えを求めてインターネットに近づくのは、
きわめて自然な成り行きです。

そこまではよいのですが、実際には答えがなかなかみつかりません。
不妊の理由は、人それぞれなのですから
そんなに簡単に答えがみつからないのです。
答えが見つからなければ、余計に知りたくなるのが人間です。
彼女たちが追い込まれるのは、医師の責任という一面もあると思います。
不十分な説明と、早いテンポで進む不妊治療にとまどい、
不安を感じるのではないでしょうか。

インターネットはキーワード検索をすれば、
何万ものサイトがヒットするような情報の海です。
その情報がどれだけ正確であるか、あなたは判断できますか? 
この世界にあまりにも深入りすると、
抜け出すのも難しくなってしまいます。
一度、パソコンの前を離れて、大きく深呼吸してみましょう。

あなたがた夫婦が、不妊治療におけるセカンドステップである
人工授精を受ける予定がある、あるいは現在すでに受けているのなら、
人工授精とはどういうものかを、正しく理解しておく必要があります。

人工授精とは、男性の精液をパートナーの子宮内に注入することです。
この技術はかなり古くから行なわれており、
また健康保険適用外ですが1回の人工授精にかかる費用は
およそ1.5〜3万円程度。
また、この治療を受けること自体は、
体にもそんなに負担になることではありません。

それでは、セックスによって膣内に射精するのと
どこが違うのかといえば、たとえば男性の精子に問題がある場合
(精子の数が少ない、精子の運動率が低いなど)、
質の良い精子を分離する「パーコール法」や、
元気のある精子が精液の上のほうへ泳いでくる性質を利用して
上方にいる精子を回収して使用する
「スイム・アップ法」用いることによって、
少しでも妊娠する確率を高めようとするところにあります。

また、女性の側の因子として、
子宮頚管粘液が十分に分泌されないようなケース、
つまり精子が子宮のなかに入っていくことができにくいような場合では、
人工授精で精子と卵子の距離を縮め、
近道させることで妊娠の可能性を高めるという意味で
行われることもあります。

また、はっきりとした原因がわからない
機能性不妊(原因不明不妊)の場合にも、
人工授精が行われます。
精子と卵子の出会う距離を縮めるためというのが理由のひとつ、
もうひとつは、体外受精に進む前の移行的な治療という側面もあります。

この人工授精の場合でも、成功するかどうかのキー・ポイントは、
どれほど正確に排卵のタイミングにあわせて
精子を注入できるかにあります。
そのために卵胞の計測や、
排卵誘発剤のクロミッドを利用したりするわけですが、
それでも人工授精における妊娠率は、5〜8%。
妊娠率がさほど高くないため、5回〜10回程度行なうのが一般的です。

不妊治療を考えた方がよいケース

 なるべく医師にかからないでしぜんに妊娠したいと、
だれもが思います。しかし、つぎのようなカップルは、
不妊外来を受診することをおすすめします。

1、あきらかな不妊の原因を指摘されている場合
 病気にもよりますが、医師の指導のもと、
不妊の原因をとりのぞく治療を受けることが妊娠への近道になります。

2、女性が37歳以上の場合
 35歳をすぎると、妊娠する能力が少しずつ低下していきます。
受胎可能の期間が短いことを考慮すると、
治療と平行してタイミング法を行うことが賢明です。

3、子どもが欲しいと努力して1年以上になる
 カップルとしてできるだけのことはした、という気持ちがあるなら、
不妊治療に前向きに取り組めることが多いので、
治療にトライするのもよいでしょう。

4、男性がED(勃起不全)の場合
 セックスカウンセラーにかかるか、泌尿器科の医師に相談します。

 医師にかかる場合は、事前に情報を集め、
自分たちにふさわしい医療機関や医師に受診するようにしてください。




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