「不妊ルーム」

Archive for 10月, 2014

受精が成立すると卵子は?

卵子の外側には透明帯といわれるゼリー状の膜が存在しています。
卵子に辿り着いた精子はその頭部に存在するアクロシンなどの
一群の酵素を分泌して、透明帯を溶かすような形で
卵子内部へと向かっていくのです。
そして、一番最初に辿り着いた精子のみが受精の権利を与えられます。

受精した瞬間、精子の頭部が卵丘細胞の透明体を突き抜けて
卵子に到達したその瞬間に、卵子がクルクルと回転するのです。
精子が卵子を回転させるのです。数億の精子のなかから、
サバイバルレースに勝ち抜いた唯一の精子が、
勝利の瞬間を歓喜したダンスです。
これを「生命のダンス」と呼ぶ人もいます。

精子が卵子の細胞質内部に到達すると、卵子の透明帯は変性し、
以後の精子を受けつけなくなります。
透明帯はいわば複数の精子が入り込むのを
ブロックするために存在しているともいえます。

卵管膨大部で、受精が完了した卵子=受精卵は分割を繰り返しながら、
3日から6日という長い時間を掛けて、
ゆっくりと卵管内を子宮に向かって進み、
やがて子宮内膜に辿り着くのです。
そして、その瞬間が妊娠の成立です。
子宮内に辿り着く頃の卵子は、分割を繰り返した結果、
通常胚盤胞という状態になっています。

「体外受精カウンセリング」を始めて6〜7年になるでしょうか? 
実際行ってみて感じたことは、「体外受精を行うのであれば、
エントリーする前に相談に来て欲しい!」ということです。
そしてその想いは、ますます強くなっています。

体外受精は医療機関によって、排卵誘発から移植に至るまでの方法も、
まったくバラバラですし、医療費も自由診療ですから、
本当に大きな開きがあります。これまでに、体外受精1回あたり、
30万円から120万円といった医療費の開きを経験しています。
ですから、何回も体外受精をおこなうと、大きなお金が出ていきます。

また、精神的・肉体的な負担も、それ以前の医療に比べれば、
はるかに大きなものになります。最近になって、
料金体系にも成功報酬型を導入する医療機関が現れ始めるなど、
医療費のバリエーションは、益々大きくなっているのが、
体外受精の現実です。

御存知のように数年前より、この高額な体外受精という医療に対して、
色々なかたちで公的助成が行われています。
最近気になっているのが、この公的助成が行われたことによって、
体外受精の医療費を引き上げる医療機関が増えていることです。
一回あたり15万円の助成があったとしても、
医療機関が体外受精の医療費を15万円引き上げたのであれば、
何のための助成かわからなくなってしまいます。
ですから、なおのこと、体外受精にエントリーする前に
相談に来ていただきたいのです。

私は、7500人近い不妊相談の経験から、
その人にあったアドバイスができるものと思っています。
そうした私の経験と想いを、11月に出版する
『あなたが妊娠する3つの理由』(静山社)に書きました。

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『あなたが妊娠する3つの理由』(近刊、静山社)

内容紹介(アマゾンより)
「赤ちゃんが欲しいけど、妊活って何をするの?」
「年齢からいって自然妊娠はあきらめたほうがいい?」
「なぜ、治療しているのに妊娠できないの?」
「信頼できる病院は、どうやって見つけるの?」
「この治療は、ほんとうに必要なの?」
――不安だらけの妊活には、もうサヨナラ!

カウンセリングとフォローアップで、1700組以上のカップルを妊娠に導いた、
こまえクリニック・放生先生が教える「妊娠をかなえた3つの理由」とは?
妊活や不妊治療の迷宮をさまよう、全女性の声に応えます。

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妊娠に対する男女間の温度差

赤ちゃんを望んでいるのに、なかなか妊娠できないという状態は、
夫婦どちらにとってもストレスを感じるものです。
ましてや不妊治療を受けるとなると、
ふたりの上には相当強いストレスがのしかかってきます。

「不妊は夫婦二人の問題ですから夫婦二人で取り組みましょう」と、
よく耳にします。正論のように聞こえます。
しかしながら不妊治療はその実際において、
検査や治療のほとんどを女性が受けなければならない、
極めて女性の負担の多い医療なのです。
こうした現状の下、不妊治療の現場は、
「女性が母性を獲得するための戦場」と化しています。

こうした現実に男性側の理解が十分でないと、
不妊治療を継続していく過程で、
男女間の温度差を生むことになっていきます。
そして時間の経過とともに、セックスの回数が減少し、
容易にセックスレスへとつながっていきます。

男性側の立場に立ってみれば、今まではお互いに
「ただのセックス」「楽しいセックス」だったのが、
ある時点から、目的至上主義的なセックスを求められます。
「今日はダメだけど、3日後には絶対してね」というふうになりがちです。
男性側に不妊治療に関する知識がないほど、
奥さんの目つきが今までと違うことにうろたえ、
セックスに対して腰がひけてしまうということになりがちです。
男性側に正しい理解がないからこそ起こるすれ違いと言えるでしょう。

 多くの生き物は単体では次の世代を残すことはできません。
二つの遺伝子が出会い、融合し、新たな生命として誕生します。
人の場合は精子は男性の体内に、卵子は女性の体内にあり、
それが出会って初めて受精の可能性が出てきます。
ですから、赤ちゃんの誕生にはセックスは欠かせないものです。
けれども、?子と卵子の出会い」を医療がになう人工授精や、
IVF、顕微授精となると
「ノンセックスで妊娠にチャレンジ」ということになります。

 タイミング法では二人の間のセックスはとても重要でした。
精子と卵子の出会いを女性の体内で期待するため、
排卵される時期にタイミングよく触れ合う必要があったからです。
ところが、IVFでは必要なくなる。
セックスが「授かる」という意味を持たなくなってしまう。
これはある意味大変なことかもしれません。
義務的なセックスから解放されてホッとするという人もいましたが、、、。
二人の間の触れ合いという意味でのセックスまで消滅してしまっては、
たいへんです。

 IVFだからこそ、忘れて欲しくないのが、
夫婦の絆、触れ合うという行為です。
セックスには子どもを授かるという目的だけではなく、
お互いの愛を確かめるという意味合いもあるはずです。
しかし、不妊治療をしていると、
ついお互いに義務になってしまいがちです。
とてもデリケートな夫婦の触れ合いという部分に、
医師という他人が介入してくるだけに、
考え方、見かたを変えることが必要かもしれません。
「子作りには関係ないかもしれないけれど、でも…」という気持ちを、
お互いが持ち続けることが本当に大切です。

35歳から母親になる

数年前に「出産」を特集した雑誌で、25歳、30歳、35歳、40歳で
それぞれ母親になった女性のコメントを見たことがありました。

それぞれの事情があって、それぞれの年齢で、出産したのだと思いますが、
その4人から、異口同音に出てきたのが、
「一番良いタイミングで母親になれた」という言葉でした。
もっとも人はそのように思い込みたい、
という気持ちもあるのかもしれませんが、、、。
ですから、35歳以上の出産には、色々なメリットもあると思うのです。

人生の経験値の高い女性の場合、妊娠も、
みずから望んだ時期に至っていることが多いと思うのです。
そうであれば、例えば「できちゃった婚」のように
オロオロすることもあまりないでしょう。
また、これくらいの年代であれば、女性が働いている場合、
ご主人の収入も含め、経済面でも、ゆとりを持った出産
育児に望めるという利点があると思います。

もっとも母親になればなったで、はじめてのことで、
わからないことだらけですから、オロオロするかもしれません。
しかし、あなたの周りを見回してみれば、すでに母親になっている友達や、
女性が沢山いるわけですから、
こうした、先輩ママ達からアドバイスがもらえるのもメリットの一つでしょう。
すでに、経験した人のアドバイスというのは、本に書いてあることや、
お医者さんの言うことより、実感を持って受け止めることができるものです。

たしかに体力面では20代の女性にはかなわないかもしれませんが、
そうしたことは、「智恵」と「人生経験」で充分乗り切っていけると思います。
そのためには、何より、妊娠前から、妊娠、出産、
そして長い子育てに耐えうる健康な「身体」をつくっておくことが大切です。




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