あなたがた夫婦が、不妊治療におけるセカンドステップである人工授精を受ける予定がある、あるいは現在すでに受けているのなら、人工授精とはどういうものかを、正しく理解しておく必要があります。

人工授精とは、男性の精液をパートナーの子宮内に注入することです。この技術はかなり古くから行なわれており、また健康保険適用外ですが1回の人工授精にかかる費用はおよそ1.5~3万円程度。また、この治療を受けること自体は、体にもそんなに負担になることではありません。

それでは、セックスによって膣内に射精するのとどこが違うのかといえば、たとえば男性の精子に問題がある場合(精子の数が少ない、精子の運動率が低いなど)、質の良い精子を分離する「パーコール法」や、元気のある精子が精液の上のほうへ泳いでくる性質を利用して上方にいる精子を回収して使用する「スイム・アップ法」を用いることによって、少しでも妊娠する確率を高めようとするところにあります。

また、女性の側の因子として、子宮頚管粘液が十分に分泌されないようなケース、つまり精子が子宮のなかに入っていくことができにくいような場合では、人工授精で精子と卵子の距離を縮め、近道させることで妊娠の可能性を高めるという意味で行われることもあります。

また、はっきりとした原因がわからない機能性不妊(原因不明不妊)の場合にも、人工授精が行われます。精子と卵子の出会う距離を縮めるためというのが理由のひとつ、もうひとつは、体外受精に進む前の移行的な治療という側面もあります。

この人工授精の場合でも、成功するかどうかのキー・ポイントは、どれほど正確に排卵のタイミングにあわせて精子を注入できるかにあります。そのために卵胞の計測や、排卵誘発剤のクロミッドを利用したりするわけですが、それでも人工授精における妊娠率は、5~8%。妊娠率がさほど高くないため、5回~10回程度行なうのが一般的です。

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